予告編

解説

雨音に重ねた
情熱のメロディが、
観る者の心を濡らす。
『バーフバリ』2部作(2015/2017)、『カルキ 2898-AD』(2024)などで知られるスーパースター・プラバースの、デビューからわずか3作目の清新なロマンス+アクション作品。本作の大ヒットによってプラバースの今日のスターダムの土台が確立したといっても過言ではない。ペアを組むのは『PS』2部作(2022/2023)や『レオ:ブラッディ・スウィート』(2024)などで知られるトリシャー・クリシュナン。今はベテランのトリシャーも、この時点では主演デビューから3年目、あどけない少女のような表情を見せる。初々しいリードペアに巧みに芝居をつけたのは、同年にまさかの40歳で早世した故ショーバン監督。プラカーシュ・ラージ、ゴーピチャンドなど脇を固める演技陣も申し分ない。テルグ語映画音楽の第一人者デーヴィ・シュリー・プラサードの手がけた楽曲群も、その後歌い継がれることになった名曲揃い。現在のテランガーナ州のワランガルの千柱寺院やペンバルティ駅で撮影され、緑あふれる風景の中で雨季の到来を喜ぶ人々の想いを見事に映像化したソングが魅力的だ。

物語

激しく降り続く雨の中、
偶然の出会いが
二人の運命を
大きく動かしていく。
ヴィシャーカパトナムの採石場で働く若者ヴェンカトは、ある時叔父の手術の費用を工面しなければならなくなる。そこに1人の男が尋ねてきて、高額の報酬と引き換えに誘拐されたシャイラジャ(シャイル)という女性を奪回してほしいと頼む。叔父の手術のためにそれを引き受けるヴェンカト。そこから回想が始まる。しばらく前、職のないヴェンカトは、求職のための鉄道の旅の途中、テランガーナ地方ワランガル近くの駅で恵みの雨に喜んで歌い踊るシャイルを見て一目ぼれする。その場では別れ別れになった2人だが、モンスーン期の雨が引き合わせたかのようにワランガルで再会し、徐々に心を通わせていく。しかし駅で彼女に心奪われたのは彼だけではなかった。バドランナという地元の有力政治家も、彼女を見初め、我がものにしようと彼女の父ランガーラーオに近づく。賭け事好きで借金まみれ、腹黒いランガーラーオは申し出に飛びつき、娘の価値を高めるために彼女を映画に出演させ、さらにヴェンカトとシャイラジャの間を引き裂こうとする。